お遍路の参拝の作法

今回私は歩きの通し打ちで通常の四国お遍路88か所に加え、別格20霊場を加えた108か所を廻って来ました。最初に勉強した基本的なお参りの作法から、実際に行っていたお参りの手順や方法について書きたいと思います。

是非参考にしてみてください。

 

目次【本記事の内容】

お遍路の参拝の作法

 

お遍路の代表的な手順や作法については下記の通りになります。お遍路の参拝手順については、1番寺で説明があると記載のある本やサイトが多くあり、私もそれを信じていましたが1番寺では特に何も説明はなく、教えてくれそうな人もいませんでした。(時間によるのかな?)
お作法で躓いていると、一日目から予定が狂い特に歩き遍路だと予定の宿までたどりつけなかったり、初日から時間に追われるという事になってしまいかねません。
準備期間があるのでしたら、下記の順番は頭に入ってるくらいになっているとお参りがスムーズにいくと思います。

 

最初に山門で一礼

 

山門とは、お寺の一番最初にある門です。ここでは一度立ち止まり、お邪魔しますという意味も込めて一礼しましょう。

水屋でお清め

 

次に立ち寄るのが水屋。清水で外の穢れを清める意味があります。
まずは柄杓を右手に取り下記の順番で体を清めます。
・左手
・右手
・口(右手に少量の水を溜め、口に含み静かに下に吐きだしましょう
・右手(口をつけたのでもう一度清めましょう
・柄杓(ひしゃくを立てるように持って自分が触った柄の部分を清めましょう。

 

以上です。何回も柄杓に水をすくうのではなく、一杯の水で全手順を行える程度にしてください。じゃぶじゃぶとやる必要はありません。

 

鐘楼堂で鐘を2回突く


※鐘楼はお寺によっては突くのを禁止している所もあります(特に住宅街)よく確認してください。
また鐘は言ってしまえばこんにちはのチャイムです。最初以外は鳴らしてはいけません。もし、本堂などで納経を行った後に「忘れてた」と鐘を突くことのないようにしましょう。どうしても鐘を突きたいのでれば、山門からすべての参拝をやり直した方がよいです。

 

鐘は静かに二回突きましょう。

 

これはお大師様や祭られているご本尊様に対してこんにちはという挨拶の意味があります。何度も見かけましたが、思いっきり叩きつけるように鐘を突く必要はありません。出来るだけ静かに突いた方が礼を弁えているとされます。

お寺の物は文化財的な側面が強いですので最小限の衝撃を意識しましょう。

 

 

本堂で納経

 

本堂参拝の前には、荷物、笠、金剛杖はどこか邪魔にならず、目の届く所に置くのが礼儀とされています。これは、納経の最中に、荷物重い・・・とか、杖邪魔・・・とか、頭なんか痒い・・・など、雑念を入れないようにし、納経に集中するためです。あってはならない事ですが、荷物泥棒も実際に存在するので、この辺りは状況判断でいいと思います。

御本堂での手順は下記の通りとなります。

 

・納め札

(裏側に願いを書くのが一般的です)

 

・ロウソク灯火

(灯火代のできるだけ奥から使いましょう。また、他人のロウソクを消してしまったり倒してしまったりする と、他者の業を背負うとされているので気をつけましょう)

 

・お線香

(お線香の火は、ライターで点けるのではなく、自分のロウソクの火からもらいましょう。また一般的に奇数である3本だと思いますが、どうもこれも何の根拠もないようです。私は一応奇数にしていました。)

 

・静かに鐘を慣らす

(鐘楼堂と同じです)

 

・お賽銭

(お賽銭は5円が通説ですが、特に根拠はありません。いくらでもいいです。)

 

・ご本尊に向かって左側から納経

 

(お賽銭がだいたい真ん中なのでそれより左側でよいです)

 

また、納経の際はご本尊さんに対応した真言がありますので確認して唱えましょう。
ここでも他者の妨害をしないように、灯火台や線香、お賽銭箱の前や通路などで納経をしないようにしましょう。ご本尊さんやお大師像からの「物理的な距離」など現世の概念であって近いからいいとか全くありません。

声も同様に張り上げたからと言って意味はありません。心で唱えてもよいのです。

また他人が納経中は絶対に邪魔をしてはいけません。声をかけたりしないようにしましょう。

 

 

大師堂で納経

 

こちらも本堂と手順は同様です。ただ、こちらに祭られているのはお大師様です。真言は南無大師遍照金剛のみになりますので、ご本尊と同じ真言は唱えないようにしましょう。

 

その他の施設をお参り

 

上記の主要な参拝手順のほかに、境内の中に祭られているものが多数あります。縁結びなどです。丁寧に参拝するのであれば、納経の前に各所手を合わせ、余裕があればお賽銭を入れるくらいでよいかと思います。

 

納経所で御朱印を貰おう

 

順番に並んで納経帳に御朱印を貰いましょう。
今のところ、すべてのお寺の納経時間はAM7:00~PM17:00です。(2019年現在)
多少の時間の前後は各納経所次第ですが、原則この時間なので、夕方は15分前には到着できるとよいと思います。

 

 

最後に山門で一礼

 

最後にまた、入口の山門でおじゃましました。ありがとうございました。という意味を込めて一礼しましょう

 

 

作法より大事なのはお参りの心

 

お参りで一番大事なのは、お参りの心です(これはお寺の住職さんもよく言われます)一番やってはいけないのが、他者のお参りの邪魔をしてしまう事、お寺の備品を壊してしまう事です。

お参りに来る人は国内外を問わず、様々な人が居ます。中には頭をブンブン振りながらお経を唱えている人や、手を合わせるだけの人。納め札やお賽銭を入れない人と、それはもう個々多様にお参りをしています。

あまりに非常識なのは例外ですが、お参りの作法に固執し、「そんなんじゃ御利益が無い!」と変にマウントを取ったり、逆にお参りの作法を知らないがために、納経中の人に声をかけたり、鐘を全力で叩いたり、はたまたお賽銭を投げてみたりと他人にとって邪魔。または、お寺の備品を多少なりとも傷つけてしまったりという事が無いようにしましょう。

何を重んじるかは人次第。だからと言って自分は関係ないと作法を無視するのも私は違うと思います。作法を守る人を尊重するためにも、基本的なマナーの勉強をするべきだと思います。最低限のルールは把握し、その中で他者に迷惑をかけない範囲でどのルールを無視するかは自分次第だと思います。

 

ちなみに私は非効率かつ内容に具体的な根拠の無い作法は無視するタイプです。作法重視派もマイルール派もどちらも養護否定致しません。

 

 

私がしていた参拝手順

 

  1. 山門で一礼
  2. 中の状況によって、空いていれば先に納経所へ
  3. 水屋でお清め
  4. 鐘楼堂の鐘は、自分が居る時に誰かが突いていれば突かない。
  5. 荷物は空いているベンチにまとめて置く。(一人分以上のスペースは取らない)
  6. 本堂と大師堂は空いている方を優先(お経が人と被ると唱えづらい為)
  7. よほど気になる物が無ければ境内のその他のものは無視
  8. 少し休憩(休憩してるといろんな人が話しかけてきてくれて結構楽しい)
  9. 山門で一礼

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。私も最初のうちはお作法を重んじていて、納経は最後!本堂と大師堂は順番にと思って居ましたが、お参りを重ねるうちに、どちらでもよいのでは…。と思うようになり、最終的に上記の参拝方法に落ち着きました。

 

皆様が少しでも良い環境と精神で参拝できると幸いです。

 

スポンサーリンク