歩きお遍路の服と持ち物~参拝編~

今回私は、歩きの通し打ちで四国88か所と別格20霊場を併せた108か所を廻って来ました。
歩きお遍路の服と持ち物~準備編~に加え、今回の記事では参拝の服装や持ち物について書きたいと思います。

 

目次【本記事の内容】

歩きお遍路の服装と持ち物

 

歩きお遍路ではどちらかというと歩きやすさ、動きやすさが重視されています。下記で出てくる手甲(てこう)や脚絆(きゃはん)をしている人はいませんでした。また、白装束も上は着ている人もしましたが、下半身については普通の服か着ていても白っぽい服程度でした。

お遍路に行くのでしたらいくつかは必要になると思います。事前にある程度用意していれば1番寺で戸惑う事なくスムーズに出発できると思います。

 

白装束

 

定番の白装束です。正式には上下を揃えますが、現地で売られているような麻の素材だと非常に動きづらく、また洗濯をしても乾きづらいです。
上着も速乾性の商品が公式ではありませんが販売されていますので、そちらにした方がいいと思います。
また、下半身に関しては皆思い思いの自由な服装でしたので、こだわりがなければ頑張っても白っぽい動きやすいものでよいと思います。

 

手甲

 

正式な服装の一つです。これをつけている人は居ませんでした。また、必要と感じる場面もありませんでした。徹底的にこだわりたい!という人向けだと思います。しかし、藪や日よけと言った保護具的側面が強い為、正装なのかどうかは少し疑問が残ります。

 

脚絆

 

手甲に並び、これもつけている人は居ませんでした。基本的に保護具となるため、こちらもこだわりがあればでよいと思います。

 

菅笠

 

文字入りの菅笠の方が良いですね。これだけは現地で買った方がよいと思います。
荷物を事前に民宿やビジネスホテルに送るにしても非常にかさ張ります。

 

輪袈裟

 

こちらは、お参りの正装の一つです。法衣を簡略化したもので、食事やトイレ、お風呂などの時以外。つまり遍路中はずっと身に着けるものとされています。

 

頭陀袋

 

首から下げるポーチのようなものです。この中に、納経帳・ロウソク・線香・数珠など参拝の道具を入れておきます。歩きお遍路の服と持ち物~準備編~のバックの項目で書きましたが、これがあると非常に歩きづらいです。持つかどうかは少し判断がいると思います。

 

金剛杖

 

木の棒ですね。あると歩行が楽になります。これも120cm程度になりかさ張るため、現地で買った方がよいと思います。

 

持鈴

 

現地で金剛杖を買うと、鈴が初めからついています。すごく簡易的なものですが、こだわりがなければ買う必要はないと思います。お土産としていろいろな所に売っていますので、買うのであれば獣除けのような感じでバックに結び付けている人が多かったです。

 

念珠

 

真言宗用という、少し長めのものを買うといいと思います。お参りの際はあやとりのように両手の中指に数珠を引っかけ、そのまま手を合わせ、手のひらの中の数珠を摺り合わせます。

なのであまり短いものだと手が動きづらいですし、経文を持ちづらいです。

 

経文

 

各お寺の本堂の真言が一覧になっている物が便利です。

 

ロウソク・線香

 

100均で売っている15分燃焼くらいの短いロウソクと、100均の線香でよいと思います。こだわりがある方は高級品でもいいかも。バックの中で折れてしまったりするので、使いやすいロウソク・線香ケースを持っていくと便利です。出来れば濡れないような素材のものがいいです。

 

納札

 

こちらには氏名を書くところがありますので、事前に記載しておくと宿やお寺で記入する手間が省けます。私は現地で書いていたので結構大変でした。
願いの項目が無ければ裏側に願いを書いておくのが習わしです。また、道中お接待を頂いた時にこちらの納札をお渡しします。裏側には自分の願いよりは相手の事を思った文章か、何も記載しないほうがよいです。

硬めで多少防水性のある入れ物があると便利です。筆箱とか、そういったものでサイズの合うものが便利です。雨にぬれたり、バックの中で折れてしまったりするのを防ぎましょう。

 

納経帳

 

納経帳は別格も廻る場合は二冊必要になります。御影札入れが一緒になっているものがありますがサイズが大きくなってしまい、歩き遍路では負担になってしまうので帰ってきてから別途買った方がいいと思います。また、四国88か所用の納経帳の場合、ページに1番〇〇寺と各専用ページが用意されています。これは別格用も一緒です。

ここに余計なものが記載されていると、最初から最後まで行ったのにページが全部埋まらない!というモヤっとした状態になります。
注意点としては、「お礼参り」「京都のお寺のページ」「奥の院」「高野山」など行く予定の無いこれらの専用ページがあると、全部終わっているのに空きページが出来てしまいます。各ページの意味について、下記で紹介します。

 

お礼参り

 

仮に1番寺から始めた場合、88番まで回った後に四国を一周結ぶという意味で1番寺に無事終わりましたという報告と共に、もう一度1番寺をお参りするという作法が一時的に流行った事があります。
確かにそういった意味合いもある事もあるようなのですが、これは正式には必要ありません。
ただ、作法として一応存在している以上気にする方は行った方がいいと思います。

 

京都のお寺のページ

 

「東寺」「仁和寺」「神光院」、この三つの寺を”三弘法”と言い、弘法大師ゆかりのお寺になります。

この3寺は京都にあり、どちらかというと遍路とは関係がなく観光の側面が強くなります。もちろんご利益はあるとされているので、全部廻るんだ!という方は問題ありませんが、そこまで行く気はないという方にとって、納経帳のこのお寺があると当然京都に行かないと埋まらなくなってしまいます。

京都に行く予定の無い方は、この3寺の記載のない納経帳を購入してください。

 

「奥の院など」

 

88寺には奥の院と言って、サブ要素のお寺が沢山あります。こういったものも専用ページとして書かれてしまうと、埋まらなくなってしまいますね。

 

「高野山」

 

弘法大師は高野山で永遠の瞑想に入ったと言われています。またお遍路でも、金剛杖に宿る弘法大師様を高野山にお送りする意味で、お遍路の最後には行くものとされています。88番の大窪寺からは高速バスなども出ており、基本的に行く人の方が多いです。
しかし、それでもお遍路は四国で完結しているので、行かないという方はこの記載もないものを購入するのがいいと思います。

 

納経帳は、余計な記載が結構あります。大抵のお寺は道中にありますので、埋まらなかった!という事が無いように、しっかりと吟味することをオススメします。また、歩いている最中でも88寺や別格20霊場のメインのお寺の他に何か記載がないかを、最初と最後のページなどをしっかり確認しそのお寺がどこにあるのか把握したほうがいいと思います。

 

私がお遍路をしていた時の服装

 

私が装備していた、正装と言われるものは下記の通りです。
・菅笠
・金剛杖
・白装束(上半身のみ)
・輪袈裟

その他については、歩きお遍路の服と持ち物~準備編~の中の服装の項目で書いていますが、白装束の中に速乾性のインナーやTシャツ。下半身は、トレッキングパンツか、脱着してトレッキングハーフパンツと、スパッツを履いていました。日よけや虫よけ、怪我防止の為に、長袖長ズボン状態を維持していました。

 

他の歩き遍路さんも、どちらかというと動きやすさ優先で、全身フル装備の人は少なかったように思います。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。事前に揃えられるものは揃えて行くと、当日に着替えたり、納札を書いたりと言った手間がなくスムーズにお遍路を開始できます。私は現地でそろえたので、着替えから納札の記入など結構手間取ってしまいました。また、今回の記事中にある、持ち物の由来などについてまとめた記事もありますのでよかったらこちらもご覧ください↓


お遍路には様々な意味や由来があり、持ち物から通る道まで様々なこだわりを持って取り組む事ができます。しかし、私のようにパっと決めて事前準備なしに出発してしまうと、後から意味を知って後悔と言った場面もあります。

簡易的でもいいので意味を勉強しておくか、よくわからない!という場合はとりあえず一式そろえておくと、後で最初から買っておけばよかった。という場面が少なくて済むかもしれん、

これはお遍路のお作法なども一緒です。特に気にされない方はいいと思いますが、後から正しいとされる参拝作法を知って後悔するという事が無いよう、ある程度は事前知識をして勉強されることをオススメします。

この記事を参考に、皆さまが満足できるお遍路ができると幸いです。

よかったら、お参りの作法もまとめておりますのでこちらの記事も準備編としてご覧ください

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